ハタの「ハ」は太陽を、ハタの「タ」は月を表していることは、前にもお話したように、ハタとは陰陽が完全に調和してバランスをとっている状態のことを言います。白と黒のタイチーマークや、日本にも古くから伝わる陰陽五行説などにもつながる哲学が「ハタ」というサンスクリット語には込められているのです。
右の鼻の穴は太陽の気道であるピンガラーと、左の鼻の穴は月の気道であるイダーとつながっていると言われています。このアヌローマ・ヴィローマは、このイダーとピンガラーの気道を清浄に保ち、浄化させる大切な呼吸法であると言われています。 まず、パドマーサナ他の安定して座れる坐法を組みます。背筋は伸ばし、しかしリラックスした状態で座ります。左手は膝の上におきましょう。 右手の人差し指と中指は使いませんので、軽く手の平につけて握る状態にするか、額に固定させましょう。右手の親指で右の鼻のを、薬指に小指を添えて、この2指で左の鼻をふさぐようにします。 左の鼻を抑えていた指を話、左の鼻の穴から息を深くゆっくりと吸い込みます。十分に吸い込んだところで、薬指と小指で左の鼻をふさぎます。次に右手の親指を鼻から離して、右の鼻の穴からゆっくりと息を吐き出して行きます。息を吐き出すのと同時に、腹筋を意識して、お腹をひっこめて息を絞りだすような要領で行います。右の鼻の穴からゆっくりと息を吐ききったら、続いて右の鼻の穴から息をゆっくりと吸い込みます。十分に息を吸い込んだら右の鼻を塞ぎ、右手の薬指と小指を離して左の鼻の穴からゆっくりと息を吐き出します。これを繰り返します。 太陽の気道から取り入れた空気は、身体を温め、月の気道から取り入れた空気は身体を冷やす作用があると言われています。対極のバランスを保つために必要な呼吸法なのですが、慣れてきたら息を十分に吸い込んだあと、両方の鼻を塞いだ状態で息を止め(クンバカ)、プラーナを充満させて次の吐く動作に移る…という応用編もあります。 頭の中がスッキリとクリアになり、ストレスは解消され、心身ともにリラックスすることが出来ます。また、鼻の粘膜などについた風邪の菌やノドについた痰などを始めとした、身体の中にたまった毒素を排出する効果もあると言われています。
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