依存症は誰もがなり得る心の病です。タバコ、アルコール、ドラッグなど、中毒になりがちな物質を対象にしたものから、買い物、恋愛などに依存するケースも多々あります。実際にアメリカなどでは、依存症で苦しむ人達の施設でヨガを指導する事も多いようです。 何故、ヨガなのか…?それはやはり、ヨガの持つ強力な浄化の作用が、依存症に苦しむ多くの人達の身体と心に、大きな影響を与えるからに他なりません。
アメリカのNYにミュージシャンになるためにやってきて、仕事を見つけ、夢を諦めずに頑張ってきたAさんは、いつのまにかドラッグに溺れるようになっていました。 いつからかドラッグはエスカレートし、自分を客観的に見る力は皆無となっていたAさん。気付いた時は、厚生施設の中にいました。 ドラッグ中毒の苦しみは、体験者でなければ、理解出来ないと言われていますが、その苦しみは想像を絶するほど悲惨なようです。まるで血液の中を何万匹ものウジ虫が這いつくばっているような感じだよ…とAさんは語っていました。 そんなAさんは、そこの職員から勧められたこともあり、ヨガを始める事にしました。たっぷり時間をかけて丁寧に指導してもらえたそうです。プラーナヤーマとアサナと瞑想、これをひたすら繰り返しました。ヨガを練習している時は全く何も考えられませんでした。自分に集中し、呼吸に集中し、ひたすらヨガに没頭しました。 ある日、Aさんは自分の身体を見て「ギョッ」としました。何故かと言うと、Aさんの身体には黒い汗が出ていたからです。それは身体に染みこんでいたドラッグに違いないとAさんは語っています。そしてその汗が出てきたあたりから、身体も心も軽くなっていったんだ…とも。 スワミ・シヴァナンダがタバコを辞めたい人に、このように言っています。 「あなたがタバコを吸いたいと思っているのではない。あなたの中に残っているニコチンがタバコを欲しがっているのだ。だから、そのニコチンを排出するといいのです。身体の中からニコチンが消えてしまえば、あなたはタバコを吸いたいとは思わなくなるでしょう。」 まさしく、Aさんの体験した黒い汗は、スワミ・シヴァナンダの言う体内に残っていたニコチンと同等のものだったのでしょう。 もちろんAさんがここまで来るには、長い時間がかかっています。ヨガとの出会いは、Aさんにとってとても大きなものとなりました。ヨガのアサナやプラーナヤーマ、瞑想の実践が、どんな風に身体と心に作用するのか、Aさんは身をもって学ぶ事が出来たのでしょう。
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